第3章 太平洋戦争 東京大空襲を生き抜く①~80歳起業 抜粋

※著書《80歳起業》の内容を抜粋しております。
そして、ときは1945年3月9日の22:30。
「ウーウーウー」
東京上空に東京湾から戦闘機が現れ、空襲警報が発令されました。
ただ、東京上空をぐるっと回って、その後、戦闘機は房総方面に去っていきました。
東部軍管区は、東京を空襲するこれまでのルートとは異なっており、
そのまま房総方面に退去したと判断し、空襲警報を解除しました。

しかしそれから97分後、3月10日0時7分、B29の大編隊によるかつてない大空襲が始まったのです。
空襲警報が発令したのは0時15分。爆撃が始まって8分後でした。

・・(中略)・・

9日の夜は夜勤のため、里美は病院に出勤し、病人たちの看護をしていました。
その日の深夜22:30に、空襲警報が鳴りました。
里美は病室を回って入院患者への避難指示と準備に取りかかりましたが、
やがて空襲警報が解除されました。

里美はもう一度、病室を見回り、患者たちに声をかけました。
「もう、大丈夫だからね。今日はもう来ないから、安心して眠ってね」と
患者たちを落ち着かせ、それから里美はいったん、看護婦の待機室に戻りました。

「ふー」とひと呼吸し、椅子にもたれかかるようにひと休みしました。
里美が部屋の時計を見ると0:08分、日は9日から10日に変わったばかりでした。
看護婦の待機室の窓から見える外の風景は空襲警報解除のあとのためか、
どの建物も明かりはつけておらず、空は雲が覆って、星の光が見えない暗い空でした。

さらに記録的な突風が吹いていて、風で窓がガタガタとうなっていました。

里美はじっと窓の外を眺めながら
「もう、戦争は終わってほしいな、由美ねいと旅行にいきたいな」
と心でつぶやていました。

しかし、突如、大きな音と共に窓の外がまるで昼のように明るく光っていました。

その明るい光は、B29戦闘機が最初に打ち込んだ照明弾の光でした。
その照明弾は、300機以上を超えるB29の大編隊が焼夷弾を落とすための目印として
最初に落とされたものでした。

里美には、アメリカによる攻撃であることはすぐわかりました。
そしてその光を見るとおぞましく感じ、寒気が襲ってきたのです。

不気味ともいえる光が照らされたあと、B29大編隊による焼夷弾の爆撃が始まりました。

(続く)

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